北九州式プレスクールカウンセラー派遣事業の実践的検討

活動期間 2018/7~2019/3

北九州における臨床心理士派遣事業 :プレスクールカウンセラーの実践的検討

【目的】福岡県北九州市では、保育園などで発達が気になる園児がいる場合に、保護者の了承を得て専門家を派遣する「地域支援」という制度がある。しかし、気になる子どもの保護者に専門家派遣の了承を得ることは難しいケースもあり、園で対応を抱え込んでしまうこともある。 そこで、他県で行われている、保護者からの申し出がなくても定期的に心理士を園に派遣する事業をテストとして北九州市内で行った。北九州では、心理士によるどのような保育への支援が必要か、実践的に検討した。仮説として、発達や育児に不安を持つ保護者面接のニーズが高いと考えた。

【方法】2018年8月から、月一度程度、計8回、北九州市内のA保育園に臨床心理士を派遣した。 まずは保育士への事前アンケートをおこなった。その後、心理士の訪問を保護者へ手紙で告知し、気になる親には保育士から直接声かけをして面談を促した。また心理士は、保育士からの申し出により、気になる児の観察と相談を行った。

【結果】保育士への事前アンケートでは、心理士に対する期待が高い事が示された。しかし手紙と保育士の促しによる、気になる児の保護者を心理士につなぐことは、仮説とは異なり数例で止まった。 また、心理士派遣3回目で、保育士と保護者からの相談の依頼が一旦なくなり、心理士の活用への保育士と保護者のハードルの高さが課題として上がった。 その後、依頼がなくても心理士が各教室に見学に行き、その場で保育士からの相談を受ける型に支援を変更した。 すると心理士に個別に相談を依頼するまでもないが、集団の中で配慮を必要とする、こだわりがある児やコミュニケーション面で気になる児の対応について助言を求める事例が続いた。

【考察】仮説とは異なり北九州の心理士派遣は、現場を一緒に見ながら、保育士が相談ができる形式にニーズがあった。 派遣申請のハードルを無くし、心理臨床的立場からの助言を受けることで、保育士間での支援の統一や、児の強みを生かす具体的方法を実施するなどの支援的な対応に繋がることが示された。 北九州市の現状では、心理士へ相談するハードルを配慮し、保育士に対して心理臨床的アプローチの助言をメインとした定期的派遣が有効である事が示唆された。

平成30年度 北九州市 NPO公益活動支援事業の助成を受けて活動いたしました。 2019/6/25の第66回日本小児保健学術集会にて発表予定。


ページトップ