虐待の連鎖とは?虐待を受けた子どもの攻撃性が高まる仕組み

虐待

暴力的な事件がテレビで報道されると「うちの子は大きくなって、問題を起こしたりしないだろうか」と、考えてしまうことはありませんでしたか。

実は、暴力的な反社会的行動は、持って生まれた遺伝的な資質が影響していると言われています。

攻撃性は遺伝の影響

MOMAと呼ばれる遺伝子は、攻撃性に関係すると言われ、この遺伝子の活性が低いタイプは攻撃性が高く、活性が高いタイプは攻撃性が低いとされています。

……では、生まれつき攻撃性の高いタイプは、どうしようもないのでしょうか?

親はあきらめるしかないのでしょうか?

実は、そうではないのです。

 

脳の働きをゆがめてしまう「虐待」

イギリスのロンドン大学で精神科のリサーチセンターのカスピ博士らは、2002年、MOMA遺伝子と虐待について、世界最高峰の科学雑誌『サイエンス』に次のような研究を発表しました。

博士らは、MOMA活性が低い(攻撃性が高いと思われる)タイプと、MOMA活性が高い(攻撃性が低いと思われる)タイプが、それそれ3~11歳の頃の虐待の履歴を調べ、さらに、26歳になった時の攻撃性を、精神科・心理学的な調査や警察の逮捕歴などで調べました。

すると、攻撃性が高いと思われていたMOMA活性が低いタイプのグループも、“普通”に育てられた場合、攻撃性は見られませんでした。

しかし、虐待を子ども時代に受けたグループには、高い攻撃性が見られたのです。

博士らによると、MOMA活性が低いタイプの子どもは、虐待を受けることで過度の恐怖を感じてしまうとのこと。

この子どもが常習的に虐待を受けつづけることで、“神経伝達物質システム”と呼ばれる、脳の働き自体が変わってしまい、強い攻撃性を見せてしまうことが考えられるのです。

博士らはそれに加えて、MOMA活性が高いタイプは、虐待によって脳の機能を変えられることから自分を守る力を、遺伝的に持っているかもしれないと表現しています。

実は、攻撃性が高いと思われるMOMA活性が低いタイプの人は、虐待を受けなければ、活性が高いグループに比べても、攻撃性はむしろ低いくらいでした。

 

遺伝子は組み合わせで働くので、1つの遺伝子の話でその子の性格について色々は言えないものです。

しかし、怖がりで感受性の高いタイプのお子さんが虐待を受けると、脳の機能自体が変わってしまい、高い攻撃性を見せるようになってしまうのかもしれません。

 

子どもの個性を肯定してあげることが大事

子どもには、それぞれ持って生まれた個性があるものです。

親がそれを変えようと、いつも罰を与えたり、暴力的な激しいしつけをずっとしてしまうことで、その子の脳の機能をゆがめてしまいます。

たまに怒ってしまうのは誰にでもあることです。なんの問題もありません。

しかし、その子の持って生まれた性格を受け入れて、良いところを見つけられる親になれるように意識したいですね。

そうすればきっと、その子が大人になって、人を傷つける人間になる可能性は少なくなるはずです。

引用

Role of genotype in the cycle of violence in maltreated children. Caspi A, McClay J, Moffitt TE, Mill J, Martin J, Craig IW, Taylor A, Poulton R, 2002, Science, 297:851-854

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