ライフネット生命創業者 出口治明さんに子育てに親と企業ができることを聞いてみました 1

子どもの発達

子育てフィロソフィの山本ユキコです。

私は、10年心理学の研究職をした後に、10年母親向けの子育て支援の活動をしてきました。その中で、「日本の子育てはこれ以上、“母親の努力”で劇的に良くなることはない」ことを痛感したのです。

いい母親になるという個人の努力で、子どもや子育て環境をよくすることができるなら、もうそろそろ虐待はなくなっていてもいいでしょう。でも、依然として虐待は増え続け、母親にとって子育ては苦行です。

日本の子育ては、母親を代表とする“家族”から、“国”が責任を持つ時代に変わらなくてはならないと思っています。しかし、いきなり国を変えるのは荷が重いかもしれません。

なのでまずは企業から、従業員の子育てに責任を持つように変わってほしい。それが、日本を子育てしやすい国にするための方法であると思います。

そこで、実際活躍されている経営者の方に、子育てについてインタビューをし、企業や親が子育てにできることについて尋ねてみることにしました。

今回は、還暦でライフネット生命を開業した出口治明さんにお話をお聞きしました。起業家であり、無類の本好きとして知られています。著作は生命保険から歴史、リーダー論など30冊を超えています。現在は、会社代表を退き、創業者として講演活動や後進の育成に当たっています。

出口治明さんの子ども時代

山本)
早速ですが出口さんは、どのような子ども時代をすごされていましたか?

出口)
三重と奈良の県境の美杉村で生まれ、その後18歳まで伊賀で暮らしていました。山の中で、民家が4~5件の田舎です。お天気の日は山でカブトムシや、セミを取ったり、マツタケや柿を取ったり、池でフナを釣ったり。喧嘩をよくしていた子ども時代でした。そして、雨の日は本を読んでいました。

山本)
本好きで知られた出口さん、子どものころから本を読まれていたのですね。本とはどのように出会われたのでしょうか?

出口)
ぼんやりと空を見上げていたら、月や星に比べて大きくて重そうな太陽が、空から落ちてこないのはなぜか不思議になり、親に尋ねたら、本を持ってきてくれたのです。説明するのが面倒だったのかもしれないですね(笑)
その本に、「石にひもをつけてぐるぐる回してみてください。すると、落ちてこないでしょう、ひもが引力です。それがあるおかげで、太陽や月は落ちてこないのです」と、理由が説明してありました。

それから「本を読んだら、なんでも分かる」と気が付いて、本を読むようになりました。草の名前や虫の名前を知るために、保育社の原色日本図鑑シリーズもよく読んでいましたね。

実家に貝の図鑑と子どものころに読んでいた本があったので持ってきました。

山本)
わあ、なんと美しい本!親御さんも、そんな子どもの理解をちょうど助けるような、ピンポイントのいい本を選んで持ってこられるのがすごいですね(注1)。

子育て支援を重視した理由

山本)
ところで、出口さんは、会社の理念にも子育ての大切さを謳っていますが、子育て支援を重視されたきっかけはなにかありますか

出口)
きっかけなんて人生においては、ほとんどないことでしょう?

山本)
ええっ?

出口)
学校の運動部でも毎日練習するから上手くなるのであって、何かのきっかけで上手くなるわけではないですね。

僕は、「人(に会う)・本(を読む)・旅(をする)」でしか、人は賢くならないと思っています。僕の配分は「人: 25 % 本: 50 % 旅: 25 %」です。これで計100%。

つまり考え方などに関しても、本の影響が強い。毎日本を読んでいく中で、人はなんで生きているのか、どこからきてどこへ行くのか、などと考えるようになります。さらに、毎日コツコツと歴史から宇宙論から読み続けていると、自分の考えが固まってきて、いろいろなことが分かるようになってきます。

人間が生きている意味ですが、人間は動物だから、次の世代のために生きているのです。

僕はダーウィンの信奉者だから気が付いたらそう思っていました。子育てを重視するのは動物として当然。古今東西、沈む船から逃げるためのボートに乗る順番は、子ども・女性・男性・高齢者の順ですから。

山本)
ご自分のお子さんが誕生されたことなどは関係にならなかったのでしょうか。

出口)
20歳くらいでそのように考えていたので子どもが産まれる、かなり前ですね。

山本)
なんと、レベルの高い20歳!

第2話に続く

ライフネット生命創業者 出口治明さんに子育てに親と企業ができることを聞いてみました 2

 

山本による注

※注1 出口さんのおすすめの児童書とその解説を書いた「教養は児童書で学べ」という本が、光文社新書から出されています。「はらぺこあおむし」「モモ」など10冊の詳細な解説と、おすすめ本66冊が紹介されています。

出口さんの「はらぺこあおむし」の解説を読むと、作者エリック・カールが育った灰色の戦時中の時代からきた、色彩の美しさへの “あこがれ” と “こだわり”(読んでいてなぜか涙が出てきました)。ビックバン、太陽暦や時間の観念の話から、ダーウィンの進化論の本質まで。その学識の広がりと本質を突いた分かりやすい解説は圧巻です。

母親としては、夏休みの読書感想文の前に読みたかったと悶絶しました。

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